寄せては、返して。(yt×in) (ページ5)

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でもあれから俺のクラスの生徒たちは伊野尾先生の授業を大人しく受けているらしく、伊野尾先生から抗議はなかった。
それと同時に紅茶を奢る事も出来ない状況。

なんだかなぁ、喜んでいいのか悲しんでいいのか。

以外に真面目な生徒たちは誇らしいけど、伊野尾先生と仲良くなりたい……と、夏休み前の放課後の職寝室でうーんと伸びをしていると、
「よく職員室でそんなにリラックスできますね。」
授業を終えた伊野尾先生が俺の隣に座った。

花が咲いたみたい。

いつしか俺は伊野尾先生の出現にそう思う様になっていた。
だってとても綺麗だから仕方ない。

俺がにこにこと、
「マッサージ行きたいけどなかなか。多少ストレッチするのは見逃して下さい。」
笑うと、
「肩こりですか？中島先生、少し手を貸してください。」
伊野尾先生がそう言う。

手？

俺が不思議に思って、でも右手を差し出すと伊野尾先生が両手で俺の手を包み込んだ。
それから手のひらを白くて細い綺麗な指先できゅっ、きゅっ、と押してくる。
……マッサージしてくれてるんだ。