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嬉しくて顔を見たくて、
「ね、顔見たいから……。」
抱きしめていた腕を離そうとすると、
「やだっ、顔、見られたくない！」
ますますぎゅっと抱きついてくる伊野尾先生に、
「ツンツンの次は随分甘えたになるんだね。可愛いけど、そのままじゃキスできないよ？」
わざと呆れた声を出すと、伊野尾先生がぴたっとしばらく動きを止める。
そしてゆっくりと俺から離れて顔を上げて、頬を染めた泣きそうな顔で、
「キス、まだ早くない？」
なんて言うから、可愛くてすぐにキスをした。
気が合わないと思っていた隣の席の綺麗な人は、こんなにも素直で可愛い人で、俺の恋人になる人だったんだ。
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作者名：すみれ | 作成日時：2023年6月29日 2時
