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「中学の時の家庭教師の男から、俺の連絡先を教えて欲しいって言われたって。離婚して色々あって、今、塾の講師に転職を考えてて、実際に教えていた生徒である俺とまた色々話しをしたいって。」
その横顔がますます頼りなく、儚げになりながら、
「心底つまらない男だと思いました。」
悲しく笑って、
「あっちがダメになったら、またこっちにって。あれからあんなに時間が経っても、俺がまだ一途に思い続けてるとでも思ってたのか。」
口を閉ざした。
じっと見守っていると、
「でもあんな男につけられた傷を引きずってたのは確かです。1番情けないのは俺だった。そのせいで中島先生への想いに戸惑ってしまって。」
ふーっと大きくため息をついて、俺の方を見て、
「区切りをつけにきたんです。あの男に振られて散々1人で泣いたこのベンチに来て、リセットしたいって。中島先生へとちゃんと向き合える様に。」
と、言った。
そして綺麗な目に少し涙を浮かべて、
「出来ました、リセット。これからは強くなります。……最後は迎えにきてって、ちょっと甘えちゃったけど。」
微笑むから抱きしめた、すぐに、ぎゅっと。

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作者名:すみれ | 作成日時:2023年6月29日 2時

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