寄せては、返して。(yt×in) (ページ27)

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それから過ぎていく日々は、恋人じゃなくても素敵なものだった。
過去の傷からかまだまだ、
「中島先生、先生のクラスがまた騒がしくなってきました。」
硬い表情でつんっとして言ってきたり、けど、
「すみません。お詫びに紅茶奢りますね。」
謝る俺に、
「そういう問題でもないんですけどね。」
またつんつんトゲトゲして言ってから俺から目を逸らして、
「………嬉しいけど。」
ぽそっと言ってきたり。
心が近づいたり離れたり、それこそ恋してるって感じだった。

何よりも、
「お疲れ様です。」
と帰る時に声をかけると、
「お疲れ様です。」
小さく頭を下げてから、
「また明日。」
必ず不安そうに言ってくれる事が嬉しかった。
俺がそんな伊野尾先生に、
「また、必ず会えます。」
声をかけるとホッとした顔をしてくれるのも。

恋してるんだ、俺たち。