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触れていた指から手を離して伊野尾先生の涙をそっと拭いて、
「店から出ませんか?もっと側で話が聞きたいんです。」
俺が言うと、
「…これ以上近くで?」
顔を上げずに伊野尾先生が聞いてくるから、
「これ以上近くで。」
答える。
返事を聞かずに立ち上がると、伊野尾先生もゆっくりと立ち上がった。
会計を済ませて店の外に出る。
陽は落ちたけど蒸し暑くて、
「伊野尾先生、暑いのにすみません。」
謝りながら伊野尾先生をそっと抱きしめた。
柔らかく温かい体。
愛おしい。
そしてやっぱり知りたいと、
「やり直したい程の初恋の話、聞かせて下さい。それから、今、やり直そうとしてる恋についても。」
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作者名:すみれ | 作成日時:2023年6月29日 2時