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両手を乗せてる伊野尾先生の肩も気持ち強張ってる。
「いや、違うんです。嘘ついてでも伊野尾先生に手を出しそうな奴をどうにかしなきゃって。」
焦りながら真実を伝えると、
「だからやっぱり嘘なんだ。」
伊野尾先生がすくっと立ち上がるから両手が肩から離れて、そしてそんな俺に、
「大人の時間、そんなの嘘だった。」
ぼそっと言った。
「誘われてるのかなって。」
またひと言、静かに言って職員室を出ていく。
俺がすぐに立ち上がって追いかけようとすると、
「中島先生、あの、懇親会の事で少し良いですか？」
年配の女性の先生に声をかけられてそれ以上追いかけられなかった。
後悔しかない。心が折れそうだった。
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作者名：すみれ | 作成日時：2023年6月29日 2時
