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伊野尾先生が、
「あんまり聞いて欲しくなかったです、それ。」
困った様に紅茶のカップを両手で包んで、
「中島先生は意地悪だな。自分でも戸惑ってるんですよ?何であんな事言ったのか。」
俯いて、
「心を、隠すのは大変です。」
ほんの少し笑った。
恋に落ちる、その本当の意味を今、知った。
俺はコーヒーを飲み干して、
「伊野尾先生、さっき俺、好きな人が出来たんです。でもそんなのは大した事じゃなかった、ただの入り口だった。今、その人に本気で恋に落ちました。」
手を伸ばして紅茶のカップを持つ伊野尾先生の指に指先で触れてから、
「あなたに。」
そう言った、はっきりと。
伊野尾先生はすぐには何も答えない。
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作者名:すみれ | 作成日時:2023年6月29日 2時