王子様、彼氏になる。 (ページ24)

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抱きしめ合っていた体をゆっくりと離して、だけどすぐ側で、
「あのさ、昨日本屋に来てた子だけど、裕翔っていって、俺の大学の友達なんだ。」
ちゃんと説明すると、
「………本当に！？」
すごく真剣な顔で聞いてくる雄也に、俺が頷く。
ドキドキしながら、
「それでさ、分かったんだ。俺、雄也にちゃんと恋してる。雄也が大好きだって。」
伝える。
雄也は何も言わない。
じっと俺の目を見てる。
あれ？なんか失敗したかなと不安になっていると、
「…………じゃあ、俺と結婚してくれるの？」
俺より不安そうに聞いてきた。

また頭の中で鳴り響きそうな教会の鐘、ちょっと待って。
天使達も羽を動かすの、一旦やめて。

「もちろん、いいよ。でもさ、言ったじゃん？俺、まだ恋愛した事ないって。だからまずは俺の恋人になってくれない？お嫁さんにしてもらうのはその後でいいよ。たくさん雄也と恋したいんだ。」
そうお願いすると、雄也がみるみる笑顔になって、

「どうか、俺と付き合って下さい。」

俺の両手をつかんで、持ち上げてキスしてくれる。
「……はい。」
俺も笑顔で答える。

王子様が、彼氏になった。
誓いのキスと一緒に。