王子様、彼氏になる。 (ページ20)

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次の日、昼休み前の授業を受ける小さな講義室でぼんやりしてると、
「大ちゃん、今日のお昼は食堂行く？」
爽やかな声で裕翔が俺の隣に座って呑気に言ってきた。
「行かない。ちっとも食欲ない。」
素っ気なく答えると、
「悩み事満載だって顔だね。王子様の事？何かあった？」
聞かれて、
「………あり過ぎて何がなんだか。」
しょんぼりしてると、

「あの、中島くん、今日良かったら一緒にお昼ご飯食べない？」

サラサラの髪、綺麗に化粧した美人さんが裕翔に声をかけてきた。
モテるぅ、と、俺は元気がないながらも見守ってると、
「ありがとう。でも俺、友達が大事だから。」
さらっとスマートに裕翔が微笑んで断った。
男前ぇ、と、俺が心が重たいまま思っていると、裕翔の側から離れたその子が待っていたこれまた美人な友達に、
「…やばい、中島くんマジでかっこいい。あんなにかっこいい人、初めて……っ！」
きゃあきゃあ小声ではしゃいでる。
分かるぅ、と、ふっと笑ってはたと気付く。
隣に座って前を向いてる裕翔が、やたらとかっこいい事に。

今は座ってるけど立ったら背が高くてモデルみたいで、鼻なんて日本人かよって位にすっと通ってる。
笑顔は果てしなく優しくて王子様っぽいかも。

「…………お前だーっ！！」
俺が叫んだ。