王子様、彼氏になる。 (ページ15)

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「いらっしゃいませ！」
元気いっぱいに本の補充作業をする俺に、
「有岡くん、頑張ってるね。髙木くんも慣れてきたし、そろそろ土日休んでもらえそうだから。」
店長が声をかけてくれるのに、
「あ、それですけど、あの、俺、いいです。土日も働きます。ゆ…………髙木くんと、一緒なら。」
言ってしまって頬が熱くなるのが自分でも分かった。

何甘えた事を言ってるんだ俺は。
バイトといえどもこれは仕事だぞ？

反省してる俺に、
「じゃあ土日、どちらかを髙木くんと一緒の休みにしようかな？」
店長が言ってくれるから、
「…………はい。」
心の中が温かくなる。
優しい店長が違う売り場へ行くのを見ていると、
「大ちゃん、来ちゃった。」
声をかけられた。
すぐに誰だか分かる。
「裕翔！」
振り向くと、裕翔が立っていた。
急に仲の良い友達に会えて嬉しくなってパタパタと裕翔に近づくと、
「髙木くんって、例の王子様？」
と聞かれた。