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こんなに想われてるなんて信じられない。
だけど唇を離して、
「大貴、好きだよ。」
にこっと笑ってくれる雄也は本気だ。
雄也が俺を好き。
責任感からじゃなくて、俺をお嫁にしようとしてる。
雄也が俺を………。
気持ちがいっぱいいっぱいになって、
「っ、ごめん!!俺も雄也の事は好きだよ!?だけど恋愛としてかどうかはまだ分かんない!」
正直に言えば雄也が、
「え?………そうなんだ。ごめん、恋愛初めてだもんね。急かしちゃったな。」
前髪をかき上げてから、
「大貴が俺を好きになってくれるの、待つね。大丈夫、俺はずっと大貴が好きだから。」
優しい瞳で言った。
ドキドキも限界だと、
「………そんなに好き好き言うな。訳分かんなくなる。」
文句を言うと、少しかがんで俺と目線を合わせて、
「俺のキスにも、俺からの好きにも、早く慣れてね。」
ほっぺにキスをしてくれた。
可愛いけど、可愛くない。
自信満々かよとちょっと拗ねてると、
「あのさ、いつまでも待つけど、俺を好きになってくれるって信じてるけど、一応聞いとく。大貴って、どんな人がタイプなの?」
急に不安げな顔になって聞いてくるから、やっぱ可愛いと、
「………王子様みたいな人かな?」
ぽそっと言った。
雄也が俺から離れて、王子様?と、首を傾げる。
可愛すぎて笑う俺。
そんな俺たちを外灯が優しく包んでいた。
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作者名:すみれ | 作成日時:2024年3月22日 2時