王子様、彼氏になる。 (ページ13)

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笑顔から真剣な表情になって、
「俺、大貴と会えなくなって本当に寂しかった。でも約束があったから頑張れたんだ。」
雄也が言う。
そして俺の左手を、そっと右手で掬い上げるように持ち上げて、

「どうか俺と結婚してください。」

プロポーズしてきた。
ちゅっと左手にキスもしてくる。

……………って、ありえない！！！
　

だけど頭の中では教会の鐘がカーンカーンと鳴り響くし、裸の天使たちはパタパタと羽ばたくし、目の前の雄也はひざまずいてないのが不思議な位に王子様そのものだし。

心臓がドキドキからバクバクに変わりながら、
「そ、それはっ………ほら、ほれ、あれだ、あれ！！俺、恋愛まだした事ないから、結婚は早いっつーか……っ！」
ドギマギしながら何とかこの場を収めようとすると、
「……………本当に？じゃあ、大貴の全部、俺が初めて？」
雄也が泣きそうになりながらも、ほんの少し笑った。
きゅんと心臓が痛んでときめいてしまう。
「絶対に大事にする。誓うよ。」
目を閉じて、雄也がもう一度左手にちゅっとキスしてくれた。