明けても、暮れても。 (ページ6)

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缶ビールを差し出されて、呑む前からほわほわとその気遣いに気持ち良くなる。
本当はいい奴かもって。

「なんだよ、さっきどっか行ってたのはコンビニかよ。…ありがと。」
笑って受け取って、蓋を開けて髙木の目の前に差し出せば、
「ずっと言いたかった事があるんだけど、有岡くん、俺を嫌ってるみたいだから言えなくて。でもこんな夜中に有岡くんといれるなんて奇跡だからさ。だから言いたいから言わせて？」
髙木も蓋を開けて缶ビールを俺の目の前に差し出して、

「同じ部署になれて嬉しかった。それで今回、同じチームになれて幸せで仕方なくて。わがままだけど、これから有岡くんと仲良くなりたい。………お疲れ様、乾杯。」

ふわっと笑う。
乾杯。

かちんと缶と缶を合わせて、髙木が顔を傾けてきて、なぜか唇もほんの少し合わさった。

「…………………。」

唇が離れて、ビールを呑む髙木を見ながらひと口、ビールを呑む。
寒いのに体温が急激に上がりながら。
泡がしゅわしゅわと喉で弾ける。