明けても、暮れても。 (ページ22)

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季節は進んでいて、明け方間近だけど屋上は寒くない。
シャツ一枚でちょうど良かった。

「俺さ、髙木が言うように最初は髙木の事、嫌な奴って思ってた。だってかっこよくて背が高い、なんてそれだけで俺からしたら羨ましくてさ。」
横に立つ髙木を見ずに言う。
「なのにそんな奴に急にキスされて、すごいドキドキしたんだ。」
風が少し強く吹いて、目を閉じて開けてから、
「彼女いるくせに、ドキドキだった。髙木からの全部に。」
笑って髙木の方を見て、
「でもさ、すぐに彼女と別れなかった俺も悪いけど髙木も悪いんだぜ？優しくてかっこいいお前にキスなんてされたら、どうしていいか分かんなくなるって。」
一歩、髙木に近づく。

どうか、明るく冗談っぽく聞こえますように。

「髙木の事、気になって気になってさ。ちょっとおかしいんじゃないの？って位に気になってさ。」

にこーってますます笑う。
相変わらず笑っていない真剣な顔をした髙木。
ごめん、後、もう少しだけ聞いてな。

「………それで俺、髙木の事、大好きなんだ。」

言えた。