明けても、暮れても。 (ページ13)

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髙木の体とその温かい体温がふっと離れる。
見上げると、
「出たら？」
優しいのは変わらないけど、少し悲しそうな微笑みになっていた。
ポケットに手を入れて携帯を取り出して耳に当てる。
「……もしもし。」
彼女からだった。
この間のデートで喧嘩した後から、連絡をとっていなかったのに。

散々文句を言われる。
どうして連絡してこなかったのか、謝ってこなかったなのか。
最後は私の事どう思ってるのって。
その全部を髙木を見ながら聞いていた。

「ごめん。」

ひと言謝って電話を切る。
ゆっくりと携帯を持った腕を下ろすと、

「有岡くんは何も悪くないよ。彼女のいる人を好きになって、すごく好きになって、我慢できなくなった俺が悪いんだ。」

好きって言ってくれた。

「…………どうしよう、髙木。……好きって言ってもらえて……嬉しいんだ。」

涙を我慢して声が震える。
髙木が右腕で俺の頭を自分の胸に引き寄せた。