明けても、暮れても。 (ページ12)

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ゆっくりと扉を開けて、そっと会議室の中にいる髙木を覗いた。
立ったまま、書類を見てる。
前髪をかきあげた。

「髙木。」

声をかけるとすぐに目が合って、かきあげていた前髪をくしゃっと掴んだその指を離してから、
「どうしたの？」
聞いてくるけど何も答えずに、髙木の側にあるパイプ椅子まで歩いて行って座った。

「………ちょっと待っててね。」

パラっと資料をめくる音が頭の上から聞こえてきて目を閉じる。
声が優しい。

しばらくして、
「終わったよ。」
と声をかけられたと思ったら、少し屈んだ髙木が俺の手を掴んで立ち上がらせてくれた。
微笑んでる目もとても優しくて。

好きだと言われたい。
言われて、髙木に恋をして、たくさんキスをしたい。

切なくなって髙木の胸にそっと寄り添うと、抱きしめてくれて、そしてその時、俺のポケットの中で携帯が鳴った。