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そんな俺たちを交互に見て、
「………うっわ、こんなファミレスのバイト中に公開告白!この先輩、やっば!」
大貴の後を追っかけてきた深澤がふざけて言った。
「あのなぁ、お前、いいかげんにしろよ。大貴が……。」
嫌な気持ちになるだろと続けようとしたところで、
「深澤、ありがと。」
大貴がにこーって笑う。
「いいえ、どういたしまして。」
深澤もにこーって笑って、さ、仕事仕事、と厨房に食器を運んで行った。
「あいつ、ふざけるの好きだな。気にするなよ。」
俺が言うと、
「気にするよ。10年、雄也からの好きを受け取ってても不安だからさ。可愛い後輩から雄也が俺の事を見ててくれるって教えてもらって、またそれだけで頑張れるから。」
大貴が俺を見上げて、
「男の子を好きでも頑張る。叶わない想いでも、俺には雄也がいつも心にいるから。」
笑った。
恋した事ないと思っていた大貴がこんなにも切なく一途に恋をしてる。
そして許されざる恋だからと、俺から離れようとしてまで。
是が非でも協力するのが親友だろ?
「大貴、バイト終わってから話がある。」
俺がそれこそ意気込んで言った。
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作者名:すみれ | 作成日時:2024年2月17日 2時