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「雄也。」
名前を呼ばれてドクンっとまた大きく心臓が鳴って、
「……何?」
聞き返すと顔を上げた大貴が、
「雄也の、知らない人だから。」
笑う。
すごく寂しそうに。
そんな大貴に胸が痛くなって、
「じゃあいつか紹介してくれたらいいよ。それで知り合いになったらさ、大貴をよろしく、幸せにしてやってくれってきっちり話つけるから。」
笑いながらそう言った。


大貴がもう顔をくしゃくしゃにする。
目に涙を浮かべて。


「……………雄也っ……。」
俺にぽすっと体を預けてきた。
思わず抱きしめる。
「どうしたんだよ?大丈夫か!?」
背中をさすると、
「……雄也……雄也……。」
名前を呼ぶだけで。


男を好きだって告白したから動揺してるのかもなと、俺は小さな体を抱きしめて、背中をさすり続けた。
バイトが始まるまで。

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作者名:すみれ | 作成日時:2024年2月17日 2時

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