10年愛 (tk×ar) (ページ7)

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「…今でもその人が好きだよ。でも誰かは内緒。雄也、びっくりしちゃうもん。」
微笑む大貴に、
「しない。約束する。」
真面目に言うと、
「するよ。…………だって………………男の子、だから。」
くしゃっと泣きそうな顔になって、小さな頼りない声で大貴が言った。

男の子？

頬から指が離れる俺に、
「な、びっくりしただろ？だから離れたいんだ。本当に雄也に嫌われる前に。」
俯いてロッカールームの扉に大貴が手を伸ばす。
咄嗟にその手に自分の手のひらを重ねた。

心臓がドクドクしてる。
男の子を好き。
全然知らなかった。

「…………雄也からの大好きで、頑張れるから。もう俺の事は放っておいて？」
大貴がさらに頼りない声で言うのに、
「…………放っておけるかよ。」
なんとか答えた。
「そいつが誰か教えて？絶対に応援するから。」

男を好きでも大貴は大貴だ。

まだドクドクしながらも聞くと、大貴がゆっくりと口を開いた。