10年愛 (tk×ar) (ページ27)

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自転車の後ろに大貴を乗せながら、
「なー、今度知念に会ってくれない？大貴を紹介したいんだ。」
夜風に負けない様に少し大きめの声で言うと、
「俺も会いたいー。俺たち、共通の友達が殆どだもんな。雄也の大学での様子も聞きたい！」
はしゃぐ大貴の声に満足していると、
「………彼氏の、様子を。」
なんて聞こえてきて、キーッ！とブレーキをかけて両足を地面に着けた。

なっに、今の！？

ドキドキドキドキしてると、
「重い？隣で走ろうか？」
不安げに聞いてくる大貴には応えずにまた自転車を漕ぎ出す。

恋人の大貴がいきなり可愛過ぎてヤバい。

もうこのまま俺の部屋に連れてっちゃおうかなとか、それこそばかな事考えてると、
「俺も雄也に紹介したい人がいるよ！その子、バイトの後輩なんだけど。」
話しかけてくる大貴に、
「バイトー？それ、共通の知り合いだろ？」
そう聞くと、
「恋人として紹介したいんだ。……深澤に！」
なんて言ってくる。
俺が笑う。

いいよ、どうぞ。
俺、嫉妬深いからお前のピンチを助けたあいつには是非、恋人として俺の事を紹介してもらわないと。