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俺と同じベンチで、反対側の端っこに座ってる大貴が、
「好き。」
そう言ってから俺の方を向いて、
「小学校卒業する前だった。中学生になったらきっと雄也には彼女ができて、それからずっと彼女がいるんだと思ったら寂しくて。……俺の家に遊びに来て、昼寝しちゃった雄也にキスしたんだ。」
ほんの少し笑って教えてくれる。
それからまた桜を見上げて、
「だから12。俺の初キスは12で、雄也と。」
穏やかに言った。
「幸せだった。」
目を閉じる。
桜の花びらがまた大貴の瞼にふわっと乗った。
「じっとしてて。」
大貴の隣に座り直す。
12の大貴に届けばいいのにと、願いながら頬にキスをした。
ざぁっと風が強く吹いて瞼に乗った花びらが舞う。
髪が乱れてる。
耳にかけるように指で大貴の髪を梳く。
そして、
「これからの大貴の10年、俺にくれない?」
そう、言った。
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作者名:すみれ | 作成日時:2024年2月17日 2時