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記憶が頭を掠める。
『大丈夫?起きれる?』
幼い俺が手を伸ばしてる。
こけちゃったんだ、かわいそうにって。
俺に向かって必死で伸ばしてくるその子の小さな手を捕まえて、握る。
立ち上がってから、
『ありがと。』
笑ってくれた。
幼い、出会った時の大貴が笑ってくれた。
水族館から外に出て、
「楽しかったな。」
大貴が言って駅まで手を繋いで、駅に着いて離して。
「バイバイ。」
最寄駅で別れる時に手を振って、振りながら大貴がほんの少し顔をくしゃっとする。
泣きそうな顔で。
そして言った。
「………………ごめん、我慢できなくて。」
くるっと背中を向ける。
練習じゃなかった。
俺を好きだった。
本当の、告白だった。
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作者名:すみれ | 作成日時:2024年2月17日 2時