君が大好き (ページ10)

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それから晩御飯にハンバーガーを食べて、お腹いっぱいだと言い合って駅前を歩いていると、
「あれ？兄ちゃんだ。」
人混みの中、遠くに仕事帰りの兄ちゃんを見つけた。
「本当だ。裕翔さんってかっこよくて背が高いからすぐ分かるなぁ。」
そんな雄也に心の中で自慢する。

そうなんだ、兄ちゃんはかなりイケメン。
分からずやで頑固だけど、それだって俺を思ってなんだし、とにかく優しくてかっこいいんだ。

ひとりご満悦でいると、そんな兄ちゃんの横に誰かが立っているのに気付く。
背は兄ちゃんより少し低くて、でも細身の体はスーツを着てても華奢に見えて、何より………。
「裕翔さんの隣の人、同僚かな？綺麗だけど男の人だよな。」
あまりの綺麗な顔に感心したように雄也が言った。

そう、とても綺麗なんだ。
でも男の人だし、彼女じゃないよな。

胸がザワザワし出す自分に言い聞かせながらほんの少しずつ近づいて行くと、
「…………だめ？今日はゆーとと離れたくない。」
甘いキャラメルみたいな声が聞こえて、その綺麗な人が兄ちゃんの体にそっと正面から寄り添った。