君が大好き (ページ29)

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「……雄也、雄也っ………！ごめん、俺から別れ話したのに、こんなに大好きでごめんっ……！」
雄也に抱きつきながら、気持ちがあふれて止まらない。
雄也も強く抱きしめてくれながら、
「俺も大貴が大好きだよ。やっぱり別れたくない。……頼むから、俺から離れないで！」
必死に言ってくれる。

ごめん、兄ちゃん。
優しくない弟で。
でも俺、自分の気持ちに嘘つけないや。

しばらくしてやっと腕を離してから、
「もう別れるの、なしな。裕翔さんからも離れなくていいよ。一緒になれなくてもいい。ずっと大貴のもとに通い続ける。そうするから。」
微笑んで言ってくれる雄也に我慢できずに涙が滲んできながら、
「兄ちゃんは俺が説得するよ。時間かかるかもしれないけど俺がしっかりして、兄ちゃんを寂しくさせないようにする。なんて、なかなか難しいだろうけど。」
そう言った。
すると雄也が本当に優しい声で、
「………どうして俺がここにいるか、分かる？」
と聞いてきた。

そういえばそうだ。
偶然にしては出来すぎてる。
待ってるはずの兄ちゃんはいないし。
…兄ちゃん？

雄也がそっと教えてくれた。

「この間、4人でファミレス出た後に、慧さんに内緒で連絡先聞かれたんだ。裕翔さんが大貴に何かあった時のために本当は俺に聞きたがってるけど、頑固で聞けないからって。……それで昼間に裕翔さんから連絡がきたんだ。大貴が寂しくないように、会ってやってくれって。」

本当に本当に優しく微笑みながら。