君が大好き (ページ21)

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「まだ付き合ってるの認めてないけど。」
兄ちゃんがむすっとして雄也に言うと、
「いや、認めて下さい。だって裕翔さんだって伊野尾さんがいるじゃないですか。恋人ですよね？本気なんですよね？俺は大貴に本気です。」
雄也が真面目な横顔、真面目な声で言った。
そのまま2人は睨み合う。

しばらくして、
「俺と慧は恋人だよ。これ以上ないくらい本気の。男同士だから色んな辛い事もあった。だけど乗り越えて、そしてこれから何があっても2人でいる。………大貴、ごめんな、紹介するのが遅くなって。」
兄ちゃんが少し微笑みながら、
「けど、12も離れたお前に同性の恋人がいるのをなかなか言えなかったんだ。慧と付き合い出した時、お前はまだ8歳で、母さんと父さんが死んで半年しか経ってなかったし。だけどもう大丈夫だな。」
そう言った。
それから伊野尾さんと目を合わせて、また俺の方を見て、

「俺の恋人の伊野尾慧さんだよ。」

背筋を伸ばして誇らしげに紹介してくれる。

家族に、大事な人に、大切な人がいた。