君が大好き (ページ20)

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「伊野尾慧です。よろしく。」

ファミレスの4人掛けの席で、兄ちゃんの隣に座った綺麗なお兄さんが名前を教えてくれた。
「中島大貴です。兄がお世話になってます。」
まだ正式に紹介されてないけど、兄ちゃんには礼儀にうるさく育てられたから頭を下げて俺も挨拶する。
「可愛い〜、良い子だね。ゆーとね、いつも大貴くんの事、俺に自慢してるんだよ。」
にこにこしながら伊野尾さんが言った。
「自慢、どんな？」
知りたくて聞くと、
「大貴くんが弟で本当に幸せだって。明るくて、笑顔が可愛くて、わがままも可愛いんだって。」
と言ってくれた。

……そうなんだ、兄ちゃん、そんな事言ってくれてたんだ。

嬉しくて兄ちゃんをじっと見ると、やめろよと伊野尾さんに言ってる。
でもちらっと俺を見て、すごく優しく笑ってくれた。

感激してるとさらに伊野尾さんが、
「食べちゃいたいくらい可愛いんだって」
と言った。

食べちゃい……ん？それは変じゃない？

首をかしげてると、
「あの、俺、大貴とお付き合いさせてもらってる髙木雄也ですっ！！」
雄也が俺の肩を抱いて言ってきた。