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欲しかった靴を買ってまたぶらぶらする。
「この服、中島に似合いそう！」
とか、
「コーヒー飲めるんだ、意外に大人。」
とか。
「和菓子好きなんだね、今度お団子食べに行こうよ。」
とか。
伊野尾の言葉が、仕草が愛おしい。
「晩御飯どうする？」
薄暗い夕焼けの空を背中に伊野尾が聞いてくるから、そろそろ帰るよと言おうとした。
帰って勉強しないと。
デートはとても楽しかった。
だけど勉強して、伊野尾をお嫁にもらわないと。
人混みで立ち止まって何も言わない俺を伊野尾がじっと見上げてくる。
…………離れたくない。
泣きたいくらいに気持ちが膨らんだ。
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作者名：すみれ | 作成日時：2024年1月6日 1時
