キスと笑顔 (tk×ar) (ページ29)

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それからやっとなんとかお互い体を離して、涙がいくつも流れた跡のある有岡の柔らかいほっぺたを両手で撫でてから微笑み合って歩き出した。

俺が、
「なぁ、有岡、今から言う事に怒らないでくれる？実は俺、お前にキスして傷つけてからお前の事忘れようと必死だったんだ。」
正直に言う。
有岡がそんな俺の言葉に、
「………さっき言ったじゃないですか。避け合ってたって。俺も忘れたくて逃げてました。」
悲しそうに答えるのに、
「けど、どうしても忘れられなかった。お前の唇の赤さも、柔らかさも。」
そう言ってから、
「でも1番好きな笑顔は思い出さないようにしてた。忘れらなくなるから。だから有岡、これからいっぱい笑って？俺もお前を笑顔に出来るように頑張るから。」
ふっと笑って有岡を見ると、きょとんとしてから、それはそれはにこにこって笑顔になって、

「そんなのいつでもなります！だって髙木先輩が側で笑ってくれるから！」

無邪気に言った。

有岡、大好きだよ。