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会計を済ませて外に出る。
「少し歩こう。」
俺がそっと有岡の肩に腕を回して促すと、こくっと頷いてくれるからそのまま歩き出そうとすると、
「………先輩、肩、緊張するから抱かないで……？」
ちらっと俺を見上げながら切なそうに有岡が言った。
それだけで可愛くてどうしようようもなくて胸がきゅうっとする。
「俺も。だけど、離したくない。ごめん。」
謝って肩を抱いたまま歩き出した。
やっとまた触れられたんだ。
離したくはない。
側で感じる有岡の息遣いや小さい肩。
愛おしくて苦しい。
そして自覚する。
やっと恋に落ちたと。
学校の、部活の先輩後輩じゃなくなって、大人になった有岡に。
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作者名：すみれ | 作成日時：2023年6月17日 2時
