エンゲージリング (yt×in) (ページ9)

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「中島なんて知らない。許嫁から助けてやらないから。」
悔しくて少し睨みながら言うと、
「ごめんごめん、伊野尾が可愛かったから。それでさ、さっき告白した通り伊野尾を大好きだろ？俺。タイプだし、いい子だし。」
フォローしてくる中島に、
「同僚として、な。…ん？いい子は初めて言われたど。」
それに可愛いもついでに言われてなんか増えたと、思った通りの事を言えば、
「いい子でめちゃくちゃ素直。ま、少し意地っ張りだけどそこも好きだし。」
中島が優しくにこにこ笑って、

「だかやらやっぱり俺と同棲してくれない？実質同居の。」

と言われた。
同棲で親御さんを黙らすのを諦めてないんだ。
けど、
「中島、残念。お前はもっともっと最初の所から間違えてるよ。俺、男だから。」
はっきり言うと、
「伊野尾こそ、俺の言葉聞いてなかったな？俺はそう言う事には先進的だって。男も女も関係ない。好きなのはお前だけだよ。」
笑うのをやめて真剣な顔で言われた。
どきっとする胸に同僚としてだからと言い聞かせるけど、こんなに好き好き言われたら切ない、とか、胸が痛い、とかより嬉しいが勝つよ、実際。

だって隠してた恋心が、今夜だけで一気に膨らんでしまった。
もう引き返せない。