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思わず顔を上げると中島が、
「大切で大事で大好きな同僚だからさ。好き、なんてどころじゃないし。」
にこっと笑ってくれる。

同僚、かなり胸が痛い。
けど、大好き、にどうしてもときめいてしまう。

中島が俺を大好き……。

空だけどまだ少し冷たいジョッキを頬に当てて、熱くなる頬を冷まそうとしてると、
「何やってるんだよ。もしかして冷まそうとしてる?頬、赤いもんな。でもそれじゃ無理だよ、ほら。」
微笑む中島がいつの間にか頼んでいた氷の入ったハイボールのグラスを、腕を伸ばしてぺたっと俺の頬にひっつけてくれた。
冷たくて気持ちいい。
けど、
「……いいよ、氷、溶けたら悪いから。」
断ると、
「そんなに熱いんだ。どれ。」
中島が反対側の頬を直接指の甲で触れてくるから、かあっとますます熱くなっていると、
「本当だ。溶けたらヤダからやめとこっと。」
グラスと指を俺の頬から離す。
またからかってたんだ、俺の事。

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作者名:すみれ | 作成日時:2023年9月8日 1時

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