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駆け落ち？
「意味、分かんない。俺と中島は恋人じゃないのに？」
俺の片想いなのに？とそれは口に出さずに聞くと、
「いや駆け落ちっていうか、同棲？で、親を黙らす。で、ハッピーエンド。良くない？」
中島がふざけて言ってくるから、
「中島、お前はまず最初の所から間違ってる。許嫁が気に入らなくて駆け落ちでも同棲でもしたいなら、いくらでもどうぞ。だけどその相手に好きじゃない俺を選ぶのは本当におかしいよ。それに失礼だ。」
ジョッキのビールをぐっと呑み干すと、
「誰に？許嫁に？」
聞かれて、どんっ！とジョッキをテーブルに置いて、
「俺にだよ！！」
低い声を出した。
しばらく2人とも話さずに、居酒屋のざわざわとした遠いような近いようなざわめきがやけに耳についてしんどいと思い始めた時、
「俺は伊野尾が好きだよ。」
と、言われた。
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作者名：すみれ | 作成日時：2023年9月8日 1時
