エンゲージリング (yt×in) (ページ33)

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次の日、中島とお父さんが許嫁の件を断るのを中島のマンションで待っていると、
「ただいま〜。」
23時過ぎに中島が帰ってくるから、
「中島、顔見せて！！」
殴られたりしてないか確認するけど、傷もなくいつも通りかっこいい顔でほっとする。
ジャケットを脱ぎながら、
「許嫁の件は割とすぐに解決したんだ。でも……。」
難しい顔をする中島に不安で胸が痛くなる。

何か条件を出された？
断る理由が他に好きな人がいるんなら、その子を連れて来いとか？
……行けない、男だもん、俺。

怖くて足元がぐらっと揺れそうになっていると、
「父さんが、解決してから2人で呑みに行こうって。で、呑みに行ったんだけど、まぁうるさいうるさい。伊野尾の事、可愛くて美人で良い子で、お前にはもったいないって。息子の恋人、褒めすぎ。ていうか狙ってんのってくらい。」
ぶすっと機嫌の悪い中島。
そんな中島と正反対に、不安から一気に幸せになってふわぁって笑う俺。

「やった！恋人の家族に好かれて何より！中島、早くプロポーズしてね？」
幸せで幸せで調子に乗る俺に、
「今リサーチ中。どんなプロポーズがいいのか。」
中島が、
「なんて、分かってるんだけどね、伊野尾が喜びそうなのは。けど、もう少し甘い恋人でいたい。」
ちゅっとキスしてくれる。

それから何年か経って、
『愛してる、それだけ。俺と一緒になって下さい。』
俺が喜ぶプロポーズと本物のエンゲージリングを、中島がくれたんだ。