エンゲージリング (yt×in) (ページ32)

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どうして外すんだろうと思いながらも頷くと、包み込んでいた手を開いて俺の左手の薬指から中島が指輪を外す。

「本物はプロポーズする時に渡すよ。だけどこの指輪には伊野尾の俺への好きが詰まってるから、それまでつけてて欲しい。」

中島が長く色っぽい大好きな指で指輪を薬指にまたつけてくれた。
約束の言葉と一緒に。

プロポーズ。

きらきらと光る水色の綺麗な石は、緊張して買った時よりきらきらしてる。
込み上げてくる、どうしても止まらない俺の涙で滲んで。

中島が俺を抱きしめて、
「……大っ好き！！伊野尾が好き！」
急にふざけるみたいに言ってくるのに、
「はいはい、俺も大っ好きだよ。」
背中に腕を回して抱きしめ返した。
「おざなり伊野尾、冷たいと俺の気持ち離れるよ？」
言われて、
「嘘つき中島。絶対に俺から離れないくせに。」
なんて言うと、
「うん、離れない！伊野尾が好き！！」
ぎゅうううっと強く抱きしめられた。
幸せだった。