エンゲージリング (yt×in) (ページ24)

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次の日、夜遅くまで待っても電話がなかなかかかってこないから心配でたまらない。

揉めたのかな？
話し合い、上手くいかなかった？

そわそわしてどうしようもなくて、指先が不安で冷たくなった深夜を回った頃、ようやく電話がかかってきた。
「…中島！どうだった？」
聞くと、
『別れよう。』
あまりにもさらっと言われて、
「えっ？なんて？」
聞き返すと、
『だから別れよう。』
もう一度言われてようやく理解する。
別れを切り出されたんだって。

体中の力が抜けて、床にぺたっと座り込んでいると、
『まぁ恋人関係は解消って事で、変わらず仲良い同僚でよろしく！』
明るく言ってくる中島に絶望的になる。
それくらいの気持ちだったんだ、中島にとって俺は。

涙も出てこない。
本当に悲しい。胸がひりひりし過ぎて痛くて、何もできない。

黙る俺に、
『おーい、伊野尾、聞いてる？』
軽く言われて心がまたガシャっと崩れたその時、
『……………聞こえてないならいいのに。』
静かな中島の声が聞こえてきた。