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それを知ったのは入社して一年程経った頃だった。
同期の女の子たちがひそひそと、中島くんって許嫁いるらしいよ、えーっ、今時！？やだ、私たちのアイドルが……と休憩室で話してるのを聞いてしまったからだ。
……俺だって、やだ、だよ。
泣きたくなった。
好きになった人に許嫁。
今時そんなのあるの？って鼻で笑いたいけど、なんだかその言葉の持つとんでもない効力に俺はひるんだ。
諦めよう。どうせ最初から叶わない恋だったんだ。
それ以来、中島とは他愛ない話しかしてない。
つかず離れず、適度に仲良く。
中島の心に深く触れないように。
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作者名：すみれ | 作成日時：2023年9月8日 1時
