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朝になって照れながらおはようを言って、休日を過ごした。
2人になるんだからと、スーパーで俺が中島の家で過ごすのにいる衣料品やら雑貨を買う。
「俺のTシャツ貸すのに。」
少し不満げな中島に、
「お客さん扱いするのやめろ。」
怒るふりをすると、恋人だもんなと言われて頬が緩む。
けど、俺はその後、度々中島のTシャツを勝手に着て部屋で過ごした。
そして中島は2人でベッドに入ってTシャツを俺から脱がす前に、大きくて持て余していた襟ぐりから見える俺の鎖骨に必ずキスをした。
中島の肌は熱い。
筋肉がすごくて硬いのに皮膚が柔らかくて、吸い付くみたいでそれだけで気持ち良かった。
明け方、やっと慣れてきた腕枕をされながらうとうととする幸せ。
このままずっと一緒にいたい。
日曜の夕暮れ、また明日から別々に夜を過ごす寂しさを、涼しくなったからともんじゃ焼きしながら誤魔化す様に笑い声を上げてビールを呑んでいる時に中島に電話がかかってきた。
「………もしもし……いや、それは。あのさ、母さんから言っておいて?」
真剣な横顔の中島に不安になっていると、
「前にも言ったけど、俺には今、真剣に付き合ってる恋人がいるから。もう父さんには会えくてもいい。俺はその人と人生を過ごすよ。」
中島が言い切る。
中島が戦っていた。
俺のために、ひとりで。
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作者名:すみれ | 作成日時:2023年9月8日 1時