エンゲージリング (yt×in) (ページ18)

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俺がぶんぶんと首を横に振って、
「全然分かんなかった。ずっと中島に片想いしてて、許嫁の話聞いてからは諦めてて。なのに同居って。本当に気付かなかったんだ、中島にドキドキだけしてた。」
そこまで言うと、
「………ドキドキだけしてたの？」
聞かれて、
「ドキドキだけしてた。」
頷く。
中島が、
「小悪魔伊野尾。」
ふっと微笑んで、
「どこまで可愛いんだよ。な、俺、今から自由に恋する男になってもいい？」
聞かれて、
「そんなのいいに決まってるだろ。中島の恋愛は誰にも邪魔なんてできない。」
はっきり言うと、

「伊野尾が好きだ。」

中島が俺の頬を両手で包み込んで、
「同僚でなくて恋愛として。だから同居じゃなくて同棲して欲しい。……まずは週末婚からお願いします。」
泣きそうな顔して笑うから、
「………はい。」
俺も泣きそうになって答えるとまた抱きしめられる。
強く、優しく。

幸せだった。
中島に想われていた。
たくさん恋人として時間を重ねたいと願った。
許嫁なんてそのうち消える気がしてた。