エンゲージリング (yt×in) (ページ17)

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お腹空いたし、ご飯食べながら話そうと1LDKの中島の部屋のソファーテーブルにお弁当を広げてソファーに座って食べ始めた。
すぐに、
「大した話じゃないんだ。だけど俺を除く皆んながそれはそれは乗り気でさ。」
苦笑いしながら中島が話し出す。

昔も今も仲の良い中島のお父さんとその友人が、中島が7歳の頃に家族みんなでキャンプに行った時、友人の中島と同い年の一人娘が、中島と結婚すると言い張った。
それに大人全員が賛同して、それからは毎年キャンプに行っては2人をお似合いだ、早く結婚式が見たいだの盛り上げるから一人娘はどんどん中島との結婚に夢を見て、そんな一人娘が可愛い父親の友人は絶対に結婚させるって決めつけてるらしい。

「なんだかな、俺はその子の事を嫌いじゃないけど好きでもなくって、内緒でその子以外と恋愛したんだけどそれもなんか上手くいかなくて。」
中島が唐揚げを飲み込んでからお茶を飲んでふぅっと息を吐いて、
「俺にはもうまともな恋愛できないまま結婚が決まってるんだって何日か前まで諦めてたんだ。けど、どうしてか入社してからめちゃくちゃタイプで気になってた子に許嫁の話をされて、そこでなんか切れた感じ。いいや、好きにするって。俺は俺の全部をかけてその子と恋愛してみせるって。」
中島が隣に座る俺を見て笑って、
「お前の事だよ、伊野尾。最初から俺は本気だった。」
と言った。
そして、
「バレバレだっただろ？お前を好きなの。」
悲しそうに言った。