私、術式使えないので高専やめます。【呪術廻戦】

第12話 ページ12

「高専…やめる…？

おいてめぇどういうことだよ！！！」



『ちょっと、そうカッカしないでくださ〜い！！


Aにそんな興味持っててくれてたんだ。あたしとしても嬉しいね〜』



「話逸らすなよ、どういうことだって言ってんだ」



『Aすごーくすごーく頑張っているのにさ、ぜーんぜん強くならないわじゃん？


才能ないんだって思って、辞めちゃうんじゃなーい？』




こいつは、ケラケラと笑う。


今までの話が本当なら、Aが苦しむのはあたしも苦しい！共にあります！みたいなニュアンスだったのに




なんでこうも、こいつは嬉しそうな顔をしているんだ？




Aが強くならない限りこいつは居なくならない。


そして、こいつの存在をAが知るとこいつに乗っ取られる。



………そうか、こいつは最初から




「お前、乗っ取る気満々じゃねえか」



『あ、バレちゃった？


てか気づくのおっそ〜〜！！！！！！！』




こいつ…っ！俺より性格悪いんじゃねーか？



『ま、せいぜい頑張ってよ。あたしは時が来たら乗っ取る。


それまでは大人しく任務はこなしてあげる。



じゃあね〜五条くん』




倒れてきたAは、本体のAで間違いなさそうだ。




“時が来たら”




これは、いつなんだ？時間はそう無いことだけはわかる。




「…くそっ！！」






こんな悠長にAの訓練をしている場合じゃなくなった。






気絶しているAのおでこを軽くデコピンする。




少しうなり声が聞こえたが、また規則正しい寝息をたてた。



Aは自分が無力と感じ、自信がどんどん無くなっている。




…ここまで頑張っているのに身を結ばないのは、俺でも可哀想だと思えてくる。






しばらく俺は校庭のど真ん中でAを抱えながら立ちつくしていた。

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