Spheniscidae／ymmt ページ9
-your side-
「すっごいジャンプだったね！」
目をキラキラさせながら興奮気味に語る彼は可愛らしく、でも濡れた髪をかきあげる仕草は男らしくてドキドキしてしまう
『ね、凄かった…』
思っていたよりも水がかかりお化粧や髪型が気になったり、体が冷えないようにしたりと感想を言葉に出来るほど余裕が無かった
そんな私の様子は気にも留めずに
「しゃちは魚へんに虎って書くんだよ
ついでに言うとしゃちほことも読めるんだ〜」
なんて蘊蓄を披露している
『そんなの知ってるよ』
うわっ…今の言い方は無いな
『ごめっ「そうだよね、今のは常識か」
謝ろうとしたけどその言葉は遮られてしまう
なんとなく気まずくなり黙るしかなくなった私は
“意外と知らない知識”って見つけるの大変だなぁ､､､とぎこちなく笑いながらそうこぼす彼の横顔を見ることしか出来なかった
なんとなく気まずい空気のまま、幾つか水槽を見て回ったところで
「ねぇ、そろそろ休憩しない？」
とベンチを指しながら言ってくれた
正直ずっと歩きっぱなしでしんどかったから有難い
『あ、ペンギン』
座ったベンチの近くにはペンギンが泳いでいた
「うふふ、可愛いよね」
なんとなく空気が和らいだような気がして
『そう言えば、ペンギンは漢字でどう書くの？』
さっきの事への罪滅ぼし的な気持ちも込めてそう聞く
「ペンギンか､､､確かね幾つかあるんだよ
企鵝と人鳥と片吟」
掌に文字を書きながら説明してくれる
あ、いつもの流れに戻ってきたかも
このまま流しても良いんだろうけど生憎私はしっかり謝らないと落ち着かない
『あの、さっきの事なんだけど…』
「さっきの事？」
彼は不思議そうにしながら首を傾げた
『ショーの時、強くあたっちゃってごめん』
「あぁ〜！全然大丈夫だよ
そういう日があっても仕方ないよ」
そう言って柔らかく微笑んだ
「こういうのってどこまで言っていいのか分からないけど…
顔色悪いししんどそうなのに今日来てくれたでしょ？
僕はそれだけで嬉しいし一緒に過ごせるだけで十分」
あぁ、この人はここまで分かった上で行動してくれていたのか
今ここで並んで座っているのも、彼の心遣いだと分かると、ゆったりと流れる時間に愛しさが募る
『これからもよろしくね』
なんとなく言いたくなってそう言うと
「こちらこそ」
と照れながら返してくれた
2人で微笑みながら温かい時間を過ごす
うん、たまにはこういう日も悪くない
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澄恋(プロフ) - かなとさん» すみません、全然気づきませんでした…恐らくフラグ外せたと思うのですが、これで大丈夫でしたでしょうか？ (2019年6月13日 19時) (
レス) id: 56148b7980 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年6月10日 21時) (レス) id: b946a130ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：澄恋 | 作成日時：2019年6月10日 21時
