ネットの海には氷の少女【ヒロアカ】2 (ページ10)

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60 君を目で追うんだページ10

時刻は午前10:30

騒音が敷地内一帯に響き渡る中、私は1人悠々自適に1クラス用の30人観覧席をのびのびと使ってる

とは言っても何もせずにボケっとしている訳では無くしっかりと自分の仕事をしている

潜入捜査において、オールマイトを殺すためや生徒をヴィラン側に引き込む時厄介そうな相手をマークしておくようAFOや死柄木弔に命じられている

A組であれば主に半数が占める単純型の個性を持つ緑谷や切島だったりは、油断していると案外こちらが押し切れないことがあるため最大キャパの把握は必須である

緑谷であればどのくらい強いパンチが出せるのか

切島であればどのくらいまで硬くなるのか

などなど

ほかにも底の知れない八百万などがどの様なものを作るのか、どのくらいが戦闘時に出せるのかなどもある程度ここで調べる必要がある

B組であれば鉄哲徹鐵という男子のスチールや、塩崎茨のツルなどもどのくらいまで可能なのかをそれとなく見ておかなくては

その中でもB組で厄介なのは物間寧人のコピーと推薦入試に居た骨抜柔造の柔化や、取陰切奈のトカゲの尻尾切りなど

得体の知れない物は多くある

………スパイには関係ないが、今日1番無意識に気になってしまっているのはあの子…轟焦凍の存在

いつも教室でもあまり愛想が良いことはなかったが今日は一段とやはり｢目｣がおかしい

体育祭ではなく、その先にある何かを見つめるように睨みつけるように、どこか遠くを見据えて舐めたたたかい方をしている

手を抜いて戦うことに関して私は微塵も興味ないけど、復讐だけを糧に進む姿はいただけない

きっと彼が道を踏み外し始めたのは7歳頃から

お母さんの愛情が消え、姉も兄も遊んでくれなくなり、1番上の兄の存在が忘れられていき、お父さんに叩かれ続け

…全て、その不満を父親への復讐心に変換してゆがませていったのだろう

本来ならもっと愛情を受けて育ったはずなのだから、こんなことには

…もっと兄と姉と遊んで

…もっと父親とも父親らしいことをして

…もっと家族らしい形で生きて

…もっともっと

……もっと

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