201 お茶子ちゃんが…お義姉さん? ページ9
ホークスが部屋に押しかけて来てから2、3週間が経った
あれからたまにボケっとしつつもだいぶ普通に戻ってきた私は座学にはもちろんヒーロー基礎学の必殺技考案授業もしっかりと受けていた
「毎日毎日大変だぁー!」
三奈ちゃんが共有スペースのソファーに項垂れて力なく声を上げた
最近は徐々に必殺技を試行錯誤を終えて完成させている人が増えてきて私も頑張らなくてはと日々背中を蹴りあって前に進めていると思う
「圧縮訓練の名は伊達じゃないね」
「とは言え、仮免試験まで1週間も無いですわ」
「ヤオモモは、必殺技どーお?」
共有スペースの一角にはA組女子が集まって各々が定期集会の報告のようにして雑談していた
「…お茶子ちゃん?」
「ふぇうぇん!」
お茶子ちゃんは話しかけられて驚いたらしく一瞬体を跳ねさせたあとまだまだこっからー!と先程の行動を揉み消すように息巻いていた
次にそのはずなんやけど…と勢いが落ち着いて話を聞いていれば
「なんか最近、無駄に心ががザワつくんが多くてね」
と、どうやらなにか引っかかることがあるらしい
「恋だ!」
と間髪入れずに突っ込む三奈ちゃん
たしかにお茶子ちゃんの顔が少し憂いを帯びた表情だったのは私もよく見ていた
「……どうしたのお茶子ちゃん、もしかしてクラスの男子になにか言われたとか…」
からかう意図はなく本心でクラスの男子、よもやお兄ちゃんがなにか迷惑かけていたりしないかと思い聞いてみる
「なななな、何言っとんの、デデデでデクくんとは別になんもあらへん!」
「お相手は飯田かやっぱ緑谷?!一緒にいること多いもんねー」
「え、お兄ちゃんやっぱ何かやらかしたの」
「ちゃうわちゃうわ…ちゃうわ……ちゎうわ」
お茶子ちゃんは顔を隠すようにしてその拍子に自身に個性をかけてしまったらしくどんどん天井の方へ浮いていった
「お兄ちゃんの相手がお茶子ちゃん…つまり、お茶子ちゃんはお義姉ちゃん…?」
「Aちゃん考えすぎや!」
「あっはははは!A最高!」
便乗して響香ちゃんは私のこぼした妄想にたいして最高と言い始めた
もちろんおちょくり半分ではあるのだが、仮に本当にお付き合いして結婚までしたら私同い年の兄と姉1人ずつ出来るってこと。3つ子かいな
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もずくっち - おもしろいです!!毎回楽しみに待ってます!! 頑張ってください (2022年10月4日 20時) (レス) @page41 id: ff189cf6af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみれ | 作成日時:2022年8月22日 0時