200 優しさの彼に ページ8
「…見苦しいとこみせて、ごめんなさい」
「別に見苦しいって程じゃないよ、壊れきる前になんとか会いに来れてよかった」
そう言いつつも普段圧倒的に無表情が多い私がボロ泣きで目元真っ赤ししてるのを写真に撮っているあたり本当にちゃっかりした人だと思う
でもやっぱり1番には私のケアを優先して動いているから侮れないね
「今日、かれこれ半年は連絡とりながらかなり近い距離で関わってきたと思ってるけどさ
こんなにちゃんとAちゃんの本音を聞いたのは初めてだったから、嬉しかったよ俺」
わざわざソファーから降りて下からすくい上げるように上目遣いで目を合わせて話すさまは気遣いの塊魂だ
その言動にまた少しだけ目の奥が熱くなったのはここだけの秘密だ
「……なんでこんなことするためだけに先生からとは言え電話1本でとんできちゃうんですか。こんな情けない姿見られたくなかった」
「先生からじゃなくて、Aちゃん本人からだったら朝イチなんてもんじゃない、電話来た瞬間からそっち向かっちゃうよ
そのくらい大事なの、これまでの言動で理解してくれてると思ってたんだけど?」
こっちかどれだけ悪態ついて答えてもやはり今は彼の方が1枚上手らしい
どんどん押せ押せで答えられてこっちがネガティブなことかんがえる暇なくさせてしまう
「ありがとうございます。今結構痛感してます」
「そりゃよかった」
もう今日何度目か分からないが、また彼は頭を撫でた
それはそれは満足気に
「俺明日は結構朝から仕事だから2時頃には帰んなきゃ行けなくてさ、それまでは時間いっぱいここに居たいんだけど、いい?」
「しょうがないですね、いいですよ」
「あら、まぁた生意気になっちゃって」
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もずくっち - おもしろいです!!毎回楽しみに待ってます!! 頑張ってください (2022年10月4日 20時) (レス) @page41 id: ff189cf6af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すみれ | 作成日時:2022年8月22日 0時