緑谷くんの双子ちゃん【ヒロアカ】《5》 (ページ2)

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194 諦めページ2

私はその日の夜、昼間思った事をたどたどしくも勝己とお兄ちゃんの2人に伝えた

自分達が悪い側なのに感謝されるのはおかしいと揃って口にして2人が喧嘩しかけたりしたが、なんとかその場は収まった

お兄ちゃんも勝己もなんとなく小さい頃から私とお兄ちゃんの扱いの違いに違和感を覚えていたらしくて、でもそれでただでさえ拗れていた関係に亀裂が入ることは避けたかったらしい

『あそこまで取り乱すとは思わんかった。悪かったと思ってる』

だから友達も仲のいい先生も出来て、中学の頃に比べてかなりいい方向に安定している私に今なら伝えられるかもしれないと勝己は行動したそうだが、想像以上に取り乱した姿を見て謝りたいとは思ったらしい

『それが普通になって想像以上に深刻なことに気が付かなかった、本当にごめん』

お兄ちゃんも小さい頃からそれが当たり前になっていて保身に走っていたから勝己に言われるまで完全におかしいということに気が付かなかったと言われた

でも、それに対して怒りなどは湧かなかった

『…私ね、もう諦めてたの』

そう言って2人が息を飲むような音を口から発したのをおぼえている

私はお母さんにお兄ちゃんから個性を吸い取ったと言われ続けたのも、
同級生からお母さんが不倫して出来た子供だって言われていたのも、
中学で女子は仲良くしてくれた人は居たけど、
お兄ちゃんの双子だからって男子からはあまり言い目では見られておらず、アバズレ女だと噂を流されて行為に迫られたこともあった、もちろん合意せず逃げたが

それでも私が今お兄ちゃんと勝己に対してお礼を言ってしまうのは、そのことに関してどこか諦めていたから、お兄ちゃんと勝己に非があるとは思えなくなってしまっているから

『…ごめん、私がダメな人だからそうなっちゃったんだよ』

そうどこか常に心の奥で思っていたことを零してしまえばお兄ちゃんは強く否定してくれた

勝己も『それはちげぇよ』って俯きながら言ってくれたけど、私にはもう上辺と慰めにしか聞こえなくて

2人に慰めてくれてありがとうと返す他なかった

その後はもうそれ以上話は進まず、何か言いた気な顔であったもののその日は部屋に帰した