151 起きたよ ページ8
Aside
ぴっ…ぴっ…ぴっ…ぴっ…
かち…かち…かち…かち…
静かに規則的な音がふたつ聞こえる
うっすらと意識が浮上し目が開く
ぼんやりと見えるのは白い天井…と、顔に
張り付いてるであろうチューブのようなもの
人の気配や電球の光
清潔な空気がハッキリと感覚を襲う
そして左手にわずかな重み
ふっと意識を寄越せば前髪を後ろに掻きあげた金髪
背中から生える赤い羽根
暗い色の手袋
ここでやっとここが安全な場所であることを
確認できた
助かったのか
ひとまずは安心
と思うと
___ガラガラ
「ったく…緑谷は今日もね…て………
は｣
病室に入ってきたのは相澤先生だった
舌打ちをして言葉を吐いていた先生と目が合った
流石に起きていることにびっくりしたのか
一瞬固まったが直ぐに状況を理解して鬼の形相で
こちらに近寄ってきた
「…起きたのは？」
「さっきです…」
起きたばかりなので声がカスカスで上手く出せない
「…はぁ……お前ナースコールも押せんのか」
「え、…あ、確かに」
さすがのアホな反応に怒りを通り越して呆れて
しまったらしい
ナースコールを先生が押したあと
音に気づいたらしく左手を握っていた彼が目を覚ました。
「んぅ……あ…A…ちゃん？｣
「はい、おはようございます」
ぎゅう
目が覚めたらしく彼は私に飛びついてきた
仕方なしに離れて下さいと言うが「やだ…もうちょいだけ…」と駄々をこねて結局看護師さんがくるまで
ずっと抱きついていた
相澤先生は何か言いたげだった
関係性としてはグレーゾーンなのかもしれないけど
現在簡単に見れば保護者と被保護者なのだ
やましいことは傍から見れば何一つない
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あすぅ(甘氷) - 最初から読ませていただきました!面白かったです!続き楽しみにしてます (2022年2月6日 19時) (
レス) @page29 id: 8561b5144a (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - まだ、続いて欲しいなぁ,,,頑張って下さいぃ! (2021年11月9日 23時) (レス) id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - とても面白いです。続きが見たいです。更新頑張ってください。 (2021年10月29日 14時) (レス) @page16 id: f649cf9af2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ | 作成日時：2021年6月25日 21時
