160 あの時の言葉が ページ17
Aside
「ん…ん？」
いつの間にか眠ってしまっていたらしい
部屋に掛かっていた時計が10時半を指していた
家に来たのが9時半頃で、少しお話してからだから
40分くらいねてたのかな
久しぶりに思い出した夢だった
勝己…かっちゃん、お兄ちゃんが居て
"｢A｣"
"「おい、A」"
そして、私がいて
"「かっちゃん、お兄ちゃん」"
「…んふふ」
色々な記憶が蘇ってくる
そんな中1つの思い出が妙に引っかかった
……なんで私、あの時
"｢Aは何になりたい？｣"
"「…ヒーロー」"
ヒーローになりたいって言ったのかな…
むかしから楽器を触ったり
機会をいじるのは好きだったけど
ヒーローが好きだった記憶はない
「…あ」
"「ヒーローになったら、かっちゃんの事務所に入れば！
きっとね！きっと！またあえる！また仲良くできるよ！」"
…そっか、私
お兄ちゃんと勝己に会いたかったんだ
また、こんどはヒーローごっこじゃなくて本物になって
あの時、おじいちゃんの家に引っ越す時
会えなくなっちゃうって、お兄ちゃんと大泣きしたっけ
そしたら勝己が
"「おめーは俺の事務所に入んだろ！
そんときにはいやでも顔合わせっことになんだよ！
だから泣くな！」"
って…目に涙を貯めながら言ってたんだ
それに乗じてお兄ちゃんも
"「ヒーローになったら、かっちゃんの事務所に入れば！
きっとね！きっと！またあえる！また仲良くできるよ！」"
"「それに！Aは僕のいもおとだもん！いざとなったら
ぼくがオールマイトもたいになって！守ってあげる！｣
って言ってたんだ
それで泣き止んだ訳じゃないけど
ちょっと目を合わせたあと、少し笑えたんだった
お兄ちゃんが私に怪我をしたことを毎回連絡してくれないのは
あの時言った言葉の通り
私を守りたかったんだろうな
あの言葉が、お兄ちゃんと私の関係に線を引き、縛ったんだ
だから、顔には出てないけど、きっと連合に誘拐された時は
誰よりも気に病んでたとおもう
やっと気づけた
でも、気づけただけじゃダメだ
私は守られる側じゃい
私もお兄ちゃんも、
もう守側で、お互いに背中を預ける人間なんだって
ちゃんと伝えなきゃ
さっきの辛気臭い気分は気がつけばどこかに行ってしまった
ホコリが被ったドアノブを引いて
私はリビングに向かった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 347人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あすぅ(甘氷) - 最初から読ませていただきました!面白かったです!続き楽しみにしてます (2022年2月6日 19時) (
レス) @page29 id: 8561b5144a (このIDを非表示/違反報告)
甘党 - まだ、続いて欲しいなぁ,,,頑張って下さいぃ! (2021年11月9日 23時) (レス) id: 577366e2a2 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - とても面白いです。続きが見たいです。更新頑張ってください。 (2021年10月29日 14時) (レス) @page16 id: f649cf9af2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すみれ | 作成日時：2021年6月25日 21時
