140 昔の君 ページ45
Aside
「おなか…空いたよね
これ食べなよ、カレー」
そう言いながらお兄ちゃんは坂を上がって光太くんの
方に向かった
私たちの存在に気づいた光太くんはこちらを睨み
「てめぇら…なぜここが！」
と、心底怒気を孕んだ声でそう言う
急いで弁解してカレーを食べるように勧めれば
それも拒否する
「いったろ…つるむ気などねぇ
俺の秘密基地から出てけ」
「秘密基地か…」
「私も昔友達と作ったな…」
そう零せば少し羨ましそうな顔をお兄ちゃんが
していた
お兄ちゃん…友達いなかったもんね…((
「へっ…個性を伸ばすとか張り切っちゃってさ…
気味わりぃ」
「そんなにひけらかしたいのかよ…力を」
「…君の両親ってさ…もしかしてだけど
ウォーターホースって言うヒーロー…？｣
お兄ちゃんから聞いた話からして、
この子の両親がそのヒーローなのは分かった
「…!!…マンダレイか…！」
また怒気を孕んだ声に狼狽えてお兄ちゃんが
急いで説明している
随分弱気だなぁ…と思ったけど
正直少し私もびっくりした
子供らしくない子供だな…って
「…頭いかれてるよみんな」
そう言って光太くんはボツボツと言葉を並べていった
この超人社会自体を憎んでいるのがまじまじと
分かった
嫌ってくらい周りに否定されて
この子自身きっと疲れている
「僕の…友達さ…親から個性が引き継がれなくてね
兄弟がいて、
下の子の方には引き継がれたんだけど___｣
そしてお兄ちゃんも、なにか言葉を話すため
その話を聞いてるうちに…いくつかの思い出が
頭に浮かんだ
《「出久は個性がないから、Aが我慢して、
守ってあげて」》
《「なんで…僕には個性がないの…？」》
《「ふーふー！火！でて！
うーん！うーん！引き寄せて！
えい！えい！蝶々！でて！」》
お兄ちゃんを大切にするお母さん
状況を飲み込めないお兄ちゃん
諦めきれなくて
お父さん
お母さん
私の個性を真似するお兄ちゃん
…思い出すほど
思い出は黒く濁り
薄れていった
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ヒーローネームを
アゲハヒーローパピヨン→アゲハヒーロープリューム
に変更しました
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有栖 - ホークス落ちのって、大体ヒロ公安がくっつくの邪魔してくるんですけど、なんかこうゆうのって新鮮です！ (2021年4月13日 18時) (
レス) id: 470cf32f58 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 主人公がホークスに恋してることをやっと理解しましたね！続きが楽しみです。 (2021年4月2日 2時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 初めまして、私は、シオンといいます。とても素晴らしい作品だと思います。 (2021年4月2日 2時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみれ | 作成日時：2020年11月13日 17時
