136 仲間 ページ41
Aside
相変わらずお兄ちゃんは私と目を合わせている
質問に答えられずにもう数分が経とうとしていた
「…僕は」
ふとお兄ちゃんが話し出す
「…転入してきた時、もしかしてヒーローに
興味を持ってくれたのかな…っておもったんだ
でも、好きなヒーローも、趣味も、話し方も
ヒーローをみる“眼”も、何一つかわってない
だから多分、なにか事情があるんじゃないかなって
おもってる
僕の憶測だから、
きっと間違っていても仕方ない｣
…事情…うん、そうだね
凄く、大事な事情
理由なんてA組のみんなに話したことないから、
一緒にヒーローを目指すただの仲間だと
思われてるとずっと思ってたのに…
…そこまで気づいてたのに、なんで…
「…でも
ヒーロー科に来て
授業を受けてみんなとご飯食べて
たまにふざけて
口角は上がらないけど、ちゃんと楽しそうだから
今、Aがイヤイヤココに来ているわけじゃないって分かった
だから…｣
そこまで言って1度間を置くと、私の頬を優しく
両手で包み目を合わて
「僕たちが変えよう」
そうハッキリと口に出した
「…え」
ここに来て初めて私は声を出す
優しく見つめているのに、どこか真剣さを孕む
その瞳をみて目が離せなくなる
「何かあった時、
言ってくれると思ってまってる…
だから、僕ら、ヒーロー科のみんなで、その
気持ち悪い世界を変えよう｣
お兄ちゃんのその言葉は私の中に溶けて言った
1人じゃないんだ
仲間がいるんだ
そんな暖かな思いがじわじわと込み上げる
気がつけば私はポロポロと涙を流してお兄ちゃんに
抱きついていた
最初は戸惑っ待ていたお兄ちゃんは、次第に私の背中に腕を回して、下から掬いあげるようにして抱きしめてくれた
ぎこちなくでも頭を撫でてくれる手が暖かくて
気がつけば私は眠っていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 212人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
有栖 - ホークス落ちのって、大体ヒロ公安がくっつくの邪魔してくるんですけど、なんかこうゆうのって新鮮です！ (2021年4月13日 18時) (
レス) id: 470cf32f58 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 主人公がホークスに恋してることをやっと理解しましたね！続きが楽しみです。 (2021年4月2日 2時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 初めまして、私は、シオンといいます。とても素晴らしい作品だと思います。 (2021年4月2日 2時) (レス) id: 5d193de02d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すみれ | 作成日時：2020年11月13日 17時
