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30cm ページ6
そんなある日のことだった。
古文の授業中に力尽きて、机に右頬を乗せて気持ち良ささそうに眠る彼を見て、無性に彼の頰に触れたくなったのは。
放課後も彼は眠っていた。
起こさないようにできるだけ物音を立てないようゆっくり椅子を引くと、隣ですやすやと寝息をたてて眠る彼の寝顔がばっちりと視界に入った。
しゅっと通った鼻筋も切れ長な瞳もさらさらの黒髪も、全部全部、見入ってしまうくらいかっこいい。
「少しだけ。」
彼の頰にそっと手を伸ばす。
「ううっ、がまんがまん。」
作間くんは疲れているんだもん。
ゆっくり寝かせてあげなきゃ。
それにいくら優しい作間くんでも、こんなことしたら、きっと嫌われちゃう。
その距離わずか数センチ。
伸びる右手を左手で必死に抑える。
すると突然、作間くんは瞼をうっすら開けた。
「ん…?Aちゃ……ん?一緒に寝よ…?」
「ひぇっ。」
次の瞬間、作間くんの右手によって、するりと私の右手は奪われて。
「んふふ、いっしょだね。」
頰を緩めて、ふにゃりと笑った。
その笑顔はずるいよ。
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作者名:もも | 作成日時:2018年10月14日 16時